梱包材入門【箱編】
段ボール箱や木箱、樹脂の箱。私たちの身近にたくさんの箱がありますが、今回は梱包で使われる箱の用途や特徴を詳しく紹介していきます。
いろいろな場面で大活躍、段ボール箱
段ボール箱は最も身近な素材の箱といえます。「段ボール」とは、断面が波状になっている紙製品のことで、波型の中芯とそれに接着されている平らな紙、ライナで構成されています。ライナが片側にだけある片面段ボールは緩衝材としてもおなじみです。中芯を両側からライナで挟んだのが両面段ボール。この両面段ボール箱が一番ポピュラーでしょう。波型の部分をフルートと呼び、波の高さと幅でAフルートからGフルートまであります。
Aフルートの段ボール箱は部分荷重には弱く、耐圧強度や緩衝性に優れているという特徴があるため、比較的軽量で容量の大きいもの、荷重を面で受ける物に使われています。Bフルートの段ボール箱は平面圧力に強いため、ビンや缶など硬い物の梱包に適しています。重量物には、AフルートとBフルートを重ねた複両面ボールが使われるなど、同じ形状の段ボール箱のなかでも紙の構造によって使い分けられています。
箱の形にも種類があり、ふたと底の真ん中を一直線に留めるA式、ふたが一枚になっていてふたの先を側面に差し込むB式、ふたと箱が別体のC式、外周3面が二重になっていてふたを差し込むN式など、再開封性や抜型(段ボールを打ち抜く型)の有無、強度などに合わせて選択します。
段ボールじゃない段ボール箱
プラスチック素材で中芯とライナの構造を持つ物は「プラダン、ダンプラ」などと呼ばれています。この製品の特徴は、水に強いことや、繰り返しの使用に耐久性があること、中空のため一般的なプラスチックの箱より軽量にしやすいことなどです。繰り返しに強いという特徴から、出荷の際の通い箱や物品を仕分けするための保管箱などによく使われています。
プラスチック段ボール箱は、オプションパーツが豊富なのも特徴です。ふたなしの形状で開口部にスタッキング(積み重ね)用の部材を付けたり、ふたを固定する面ファスナーをつけたり、手穴に補強部材を付けたり、取手用のベルトを付けたりとさまざまです。
精密機器や食品の工場など、クリーンルームに持ち込みやすいのもプラスチック製のメリットです。紙段ボール箱は細かな紙屑が発生するため、除去をしないとクリーンルームに持ち込むことはできませんが、プラスチック段ボールなら対応する箱の製造はより容易になります。
さまざまなニーズに応えるプラスチックコンテナ
プラスチックコンテナは樹脂製の箱の総称ですが、用途に合わせて素材の樹脂を選べることと、造形の自由度が高いことが特徴です。使用していないときにコンパクトに折りたためる「折りたたみコンテナ(折りコン)」、飲食店やパン屋さんなどで食品が入っている薄型のものは「番重(ばんじゅう)」、農業で出荷するときの出荷箱のように網目のものは「網目コンテナ(メッシュコンテナ)」、部品に使う網状でない物は「ベタ目コンテナ」と用途や業界、形状などによりさまざまな製品があります。
電子部品などに対応した導電性のコンテナ、緩衝性のある発泡コンテナなど素材に機能性を持たせることもできるほか、プラスチックの成形性を活かし、内容物が入っている間はコンテナを積みあげて保管でき、内容物がなくなったらコンテナの向きを変えると入れ子になってコンパクトに収納できる物など多種多様です。
このように梱包用の箱と言っても、精密機器、食品、重量物、などの内容物に合わせた選び方ができますし、積み重ねる、雨に濡れる、クリーンルームに入れるなど保管や輸送の状況に合わせた選び方もできるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。予算や作業環境に合わせてぴったりの箱を選びましょう。用途や目的を伝えてプロに相談するのもおすすめです。
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