【梱包道場】Amazonの箱、大解剖!
【梱包道場】は、トヨコン社員・木村ラマヌジャンが、設計や素材など、梱包の基本的な知識について学んでいくシリーズです。
~ある日のトヨコン・豊川営業所~
K先輩「おーいラマヌジャン!Amazonから荷物が届いているぞ!」
ラマヌジャン「ありがとうございます!新作の『パイレーツ・オブ・カリビアン』のDVD、最近帰りが遅くて受け取れないので、会社に届けてもらったんです。」
K先輩「土日に受け取ればいいだろ!」
ラマヌジャン「いや、早く見たいじゃないですか!僕、このシリーズの大ファンなんですよ。」
K先輩「(心の中で)DVDもいいけど、仕事にも興味を持ってくれればなぁ……」
ラマヌジャン「ところで先輩、Amazonの梱包って独特ですよね。」
K先輩「おぉ。よくできていると思わないか? この梱包にはいろいろと工夫が詰め込まれているんだぞ。」
ラマヌジャン「何気なく使っていますけど、これなんだろう?という部分が結構あります。」
K先輩「よし、せっかくだから、Amazonの梱包の工夫について教えてやろう!」
開梱前からもう工夫
まずは外観を見てみましょう。宅配の宛名ラベルが剥がしやすいタイプになっているのがわかります。宅配の業者は受け取りのサインをもらったら、剥がして持ち帰ります。発送の際も、プリントアウトされたラベルを貼り付けるだけなので、複写タイプより取り扱いがスピーディーになりそうです。受取人控えも同様に剥がしやすくなっており、個人情報保護のため剥がして廃棄するのも簡単でしょう。
箱の見やすい位置に荷物管理用のバーコードラベル貼り付け場所が指定されています。貼り付け位置がばらつくと読み取りの工程で時間のロスが発生しますが、このように貼り付け位置を明示するだけで解決できます。
荷物が届いたらいよいよ開梱です。指を入れる穴があけられており、がばっと蓋を持ち上げることができます。また、びりびり開けられる切り口もついていて、どちらを選んでも時間がかからず、力も不要な工夫がされており、届いた品物を早く見たいという期待を裏切りません。
ラマヌジャン「なるほど~、受け取った人だけじゃなく、送る人にも便利な工夫がされているんですね。」
K先輩「そうだな。次はもっとも大事な、中身を守る工夫を見ていくぞ!」
コストを抑えて中身を守る工夫
続いて箱の中を見ていきましょう。箱サイズを規格化して取り扱いを簡単にし、コストを削減するために大きな箱に小さな内容物になることも多いようです。その代わり、箱の中で内容物が動かない工夫が施されています。箱の内寸に合わせた台紙に内容物をシュリンクして、その台紙が底から浮かないように接着してあります。
内容物の安定と保護のため、段ボールを折り曲げて輪ゴムで巻いていますが、その際に内容物が隠れてしまうので、明示のため外側にバーコードが貼り付けてあります。内容物が目視できないときは、ラベルを最外側に貼付する、といったようなルールが存在しているのでしょう。
ラマヌジャン「内容物を衝撃から守るために外箱から離す方法は、緩衝材だけじゃないんですね!」
K先輩「いいところに気付いたな。内容物が動かないように固定する方法もいろいろあるぞ。さて最後に中身を取り出した後の工夫も見てみよう。」
役目を終えても
荷物を発送し、無事に届いて梱包の役目は終了しますが、その後の梱包材は廃棄物としてリサイクル・処分されることになります。お客様がその工程を担当することを考えると、廃棄やリサイクルのしやすさも、梱包の価値の一つといえます。中身を保護し、客先に届いてもその後の顧客満足度を高める工夫です。
枠と蓋の境にミシン目があり、手で簡単に小さくできるようになっています。使われている素材も、ほんの少しのシュリンクと輪ゴム、他はすべて段ボールと種類が少なく分別が容易なように考えられていることがわかります。
ラマヌジャン「いやぁ、役目を終えて捨てるときのことまで考えられているとは。一つの箱の中にこんなに工夫がされているんですね。梱包のこともっと勉強したくなってきました。」
K先輩「おぉ、そうかそうか! いろいろな梱包を実際に見てみるのは大事だぞ。わからないことがあったらいつでも聞いていいからな。」
ラマヌジャン「ありがとうございます!さっそくAmazonでいろいろなものを注文してみます!」
K先輩「ん!?」
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