【梱包道場】インターネット通販(ECショップ)で使われる梱包材
【梱包道場】は、トヨコン社員・木村ラマヌジャンが、設計や素材など、梱包の基本的な知識について学んでいくシリーズです。
~ある日のトヨコン・豊川営業所~
ラマヌジャン「はぁ~、すごいですねぇ~」
K先輩「どうしたんだ、ラマヌジャン?」
ラマヌジャン「いやあ、今はインターネットで何でも買えて自宅まで届く時代なんだな、と感心してたんです。あ、見てくださいよ、ハムスター用のかわいい家がありますよ! うちの子に買ってあげようかな」
K先輩「おい、それは仕事か? それとも息抜きか……?」
ラマヌジャン「し、仕事です!」
K先輩「……」
ラマヌジャン「本当ですよ! お客さまがインターネット通販のお店を開きたいから、使える梱包材を紹介してって相談されたので調べてたんですよ!」
K先輩「まあ、そういうことにしておくか……。それじゃ今日はインターネット通販、ECショップで使われている梱包材にはどんなものがあるのか見てみよう」
インターネット通販で使われる梱包材の種類
インターネット通販によく使われている梱包材には、代表的なものとして次のような種類があります。
宅配便の紙袋
インターネット通販ショップでもよく使われているのが、この宅配便の紙袋です。各宅配便会社により、さまざまな形状やサイズのものが準備されています。
例えば、ヤマト運輸では「クロネコ袋」のA3、B4、A4といったサイズがあります。佐川急便では「エクスプレスバッグ」のB-L、B-Sといったサイズ、日本郵政では「ゆうパック」の大と小があります。
色付きポリ袋
アパレル系のECショップでよく使われているのが、色のついたポリ袋です。衣類は割れる心配もないため、頑丈な箱で保護する必要がありません。しかし、濡れることで商品価値を損なうので、濡れることに関しては注意が必要。ポリ袋なら濡れても中の商品には染み込む心配がないため、紙製のものより衣類の梱包に向いているのです。
また、紙製の梱包材より安いうえに保管場所も取らず、消費者も処分しやすいというメリットがあります。
気泡緩衝材付き封筒
外から見ると普通の封筒ですが、内側に気泡緩衝材が付いているタイプのものです。これはCDやDVDなど、サイズが一定で軽く、衝撃に弱いものの梱包によく使われます。梱包の手間はほとんどかからず、サイズも豊富、資材としてもかなり安価な部類に入る梱包材でしょう。
ダンボール箱
商品の発送といえば、やはりダンボール箱。紙袋やポリ袋よりは高コストとなりますが、「しっかり梱包してある」という安心感があります。また、店名やブランドロゴを印刷したオリジナルのダンボール箱を作ることで、顧客にショップを印象づける梱包も可能です。
厚紙製のケース
厚紙が折り畳まれていて、簡単に組み立てることができるタイプの梱包材です。ヤマト運輸の「ネコポス」や日本郵政の「ゆうパケット」などで使われているものです。ダンボール箱に比べると保管場所は少なくでき、箱作り・梱包も簡単なことがメリットです。ただし、頑丈さではダンボール箱にかないません。
ラマヌジャン「ネットショップで買い物すると、こんな梱包材で送られてきますね!」
K先輩「ショップでも商品に合わせて、いろいろな工夫をして梱包材を選んでいるんだ」
ラマヌジャン「店名が入ったダンボール箱が届くとなんだかうれしくなっちゃいますね、ワクワクして」
K先輩「箱だけじゃなく、ロゴを印刷したテープを使うなど、ECショップの工夫もいろいろ進んでいるな」
ラマヌジャン「でも、ネットショップでたくさん買い物すると、ダンボール箱が溜まっちゃうんですよね……」
K先輩「そう、今はそういった消費者心理を考慮した梱包方法も求められている。次はそういう視点で梱包材を考えてみるぞ」
インターネット通販の梱包材選び
インターネット通販では、必ず梱包された状態で商品が届きます。これが通常の店舗販売との大きな違いの1つでもあります。このとき、梱包材がユーザーにとって邪魔な存在になるようでは、インターネット通販の利便性が損なわれてしまいます。ユーザーにとって邪魔にならない梱包材とはどのようなものでしょうか。
ユーザーの求める梱包とは
- 開けやすさ
簡単に開けられる梱包材はユーザーに好まれます。Amazonのダンボール箱などは、簡単に開けられる工夫がされている代表例です。また、紙袋やポリ袋の場合でも、テープでぐるぐる巻きにされているとユーザーが開けにくくなってしまうので、ほどよい方法をショップで工夫し標準化しましょう。
(関連記事:【梱包道場】Amazonの箱、大解剖!) - 中身の保護
店舗販売と違い、購入から使用までの間に輸送という第三者の手が入るのもインターネット通販の特徴。もし中身の商品に傷があった場合、最初から傷があったのか、輸送中に傷ついたのかという問題が発生するうえ、ユーザーからの信頼も損なってしまいます。梱包材として、中身をしっかりと保護するものでなければなりません。
- 廃棄のしやすさ
ユーザーにとって梱包材の廃棄に手間や時間がかかってしまうと、インターネット通販の魅力も少なくなってしまいます。簡単にリサイクルに出せる、小さくして廃棄できるような梱包を心がけましょう。
ユーザーに好印象を持ってもらう梱包のコツ
- テープに工夫を加える
クラフトテープやマスキングテープなどは、さまざまな色や柄のものがあり、ロゴ印刷もできます。ユーザーの記憶に残る工夫が、ショップを再検索するきっかけになるかもしれません。
- 緩衝材は適正量に
意外に廃棄の手間がかかるのが、緩衝材です。あまり大きすぎる箱は使わず、詰め込む緩衝材の量も適正に、入れすぎないようにしましょう。
- プレゼント用のラッピング方法を学ぶ
プレゼント用のラッピングを受け付けてくれるショップは、ユーザーから選ばれる一要因になります。ラッピングの技術を学び、同じコスト・時間でより豪華なラッピングができるように練習しましょう。
- 手書きのニュースレターやメッセージを添える
手書きのニュースレターやメッセージを添えることで、「真心を込めて商品をお届けしている」という印象を持ってもらうことができます。一言でもメッセージカードが添えられているだけで、ショップの印象は大きく変わるのです。
K先輩「インターネット通販は今や激戦区だからな。ショップ側もユーザーに好まれる試行錯誤を続けていかないと生き残ることができないんだ」
ラマヌジャン「お店側もいろんな工夫をしているんですね」
K先輩「店舗販売と違って通販にしかない特徴、逆に梱包をメリットにしているショップがユーザーから好まれるのかもしれないな」
ラマヌジャン「いいこと思いつきました! 50回買うと組み立てて巨大ロボットになるダンボール箱を提案してみます!」
K先輩「それで喜ぶのは、おまえを含むごく一部だと思うぞ……」
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