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製造IoT化で5割増産!物流IoT化はどうする?

製造IoT化で5割増産!物流IoT化はどうする?

日経新聞に製造ラインIoT化で月産増5割超という成功事例が紹介されました。製造現場を大きく変えつつあるIoTですが、物流業の効率アップにはどのような影響を与えるでしょうか。製造業での成功例を物流業のIoT視点で読み解きます。

製造ラインIoT化で月産増5割超

2017年8月30日の日経新聞に、IoTを活用した生産ラインで、導入前の5割超の月産を達成したという記事が掲載されました。オーエスジー株式会社、大池工場(愛知県豊川市)の小径エンドミル生産ラインでの事例です。

複合加工機の導入、コンピューターによる生産日程の管理を実施しました。注文数や納期に応じ、コンピューターが製造日時や担当機械を自動でスケジュール化することにより、生産ラインの稼働率を高めるための日程が最適化されるのです。これによって、量産品は土日に無人生産、特注品は平日に人手を集中させて高度な要求に応えられるといいます。現在、既に48時間の無人稼働は達成しており、計画では72時間、金曜午後から月曜午前の無人稼働を導入するとのことです。

これは、製造過程のモノをインターネットにつなぎ、最適化するIoTの好事例ですが、物流においても、同様の考え方が適用可能です。

荷物のIoT化については当ブログの過去記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。

物流ラインでのIoT

複合加工機をマテハン機器に置き換えてみれば、量産品・同一工程の作業を省人化し、顧客からの高度な要求に人手を集中させられるのがよくわかります。荷物の内容物の一つ一つ、梱包の単位それぞれにIDが割り振られ、インターネットの管理・制御下にある「IoT化された状態」を仮定しましょう。

製造ラインで完成した製品は、受注に応じた個数がピッキングロボットにより集められます。出荷先ごとに自動機が梱包し、行先の方面ごとにソートされ、無人搬送機が出荷場まで移動します。この工程だけを考えても完全な無人化が容易に想像できますね。

こうした省人化によって確保した人手を、事例では特注品の製造にあてていましたが、物流現場ではどうでしょうか。自動機の取り扱い範囲を超えたサイズものの取り扱い、突発案件、輸送量増加などの対応にあてることが可能になるでしょう。

省人化を支えるマテハン機器や、機器のIoT化についても過去記事でご紹介しています。

製造から物流まで

また、IoT化の範囲が拡大し、製造過程から物流過程まで一貫したならば、その効果はさらに大きくなります。出荷のタイミングはどのように決めていますか? 受注してから、在庫を確認し、非在庫分は生産し、出荷が複数に分かれてしまうことはないでしょうか。受注確定のタイミングで、リードタイムが最も遅くなるものに出荷をまとめることはできませんか?

万が一、製造工程で不良が発生した場合も考えてみましょう。生産計画を組みなおしてリカバリーするべきでしょうか、それとも計画中の生産が終わった後に作り直す方がよいのでしょうか。その場合、材料の手配は間に合うかどうかが懸念されます。納期に余裕のある出荷分から借りてくることも考えられるかもしれません。

生産計画、製造ライン、工程中にある製品、在庫中の製品、輸送中の材料、すべての情報がインターネットでつながっているIoT化された状態なら、このような検討も人手で行うよりはるかに容易にできるのです。製造業の現場では、かならずモノが移動します。材料の受け入れ、加工、組み立て、検査、在庫、出庫、と形を変えながら流れていくモノを、名前や個数、状態、行き先、といった属性データとともにコントロールすることは業務の効率と品質の向上に大きく寄与するでしょう。


製造ラインにおけるIoTの好事例と、物流への適用、また製造と物流を一貫した場合について考えてみました。物流IoT化のご相談、製造と物流の連携など、物流視点からみる効率アップについて、検討してみてはいかがでしょうか。

 

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