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ロボットが物流業界の未来を救う!?いま注目されている「省力化」とは

ロボットが物流業界の未来を救う!?いま注目されている「省力化」とは

近年、物流業界の人材不足が深刻化しています。ネット通販の広がりや配達の日時指定といった消費者の利便性向上によって、取り扱う荷物の増加や配達するドライバーの不足が原因です。物流業界の長時間労働や低賃金といった過酷な労働環境、またトラック1台あたりの積載効率の悪さも要因として考えられています。こうした人材不足を解消するために、物流業界でもロボットによる省力化、自動化が推し進められています。

物流業界を中心に広がる省力化のニーズとは

人材不足が深刻化している物流業界で、自動化システムの導入はどのような意味を持っているのでしょうか。今までは商品のピッキングや梱包、発送、出荷は人の手で行われてきました。このプロセスは、商品を探すために倉庫内を移動する時間の浪費や、人的ミスが発生しやすいという課題を抱えていました。

現在では、この荷役や梱包の作業に加えて、倉庫内での搬送車やフォークリフトの自動化が進められています。物流センター内で人が行っていた定型作業を排していくことで、ミスや時間のロスがなくなるため、物流オペレーション全体での飛躍的な効率化が可能となるのです。また、取り扱う商品や作業内容によって多少の違いはありますが、7割ほどの人員が削減できるとの意見も上がっています。

こうしたロボットの活用による省人化が、物流業界の今後の一翼を担っています。

現在人の手で行っている作業がロボットでも処理できる!

さて、そんな省人化の主役として期待されているロボットですが、国内外の企業が開発している搬送ロボットとはどのようなものなのでしょうか。通常、人が棚から商品を探してピッキングしていましたが、搬送ロボットは人に代わり物品を運びます。ロボットの種類によっては商品が収納された棚ごと人のもとへ運ぶ能力を有しているため、人が動き回る必要がないことで効率が上がるのです。

代表的なものとして、インドのベンチャー企業「GreyOrange」が開発したバトラー(Butler)が知られています。家具小売大手のニトリで導入された事例を見ると、バトラーによって棚が移動することで人は動かずに作業できたり、小型から大型までのさまざまな商品を取り扱えたりする、といった特徴があります。人が持てるものより重いものを運べるようになること、緻密な作業が可能になること、作業能力が上がるために人的なミスが少なくなることなども、ロボットを導入する大きなメリットといえるでしょう。

こうした作業の効率化の結果として、高度な経験や知識を持った人をルーチンワークから別の仕事に割り当てることができたり、ロボットが計画通りに業務を進行するため業務計画を立案できたりするなど、企業の人的資源をよりクリエイティブな業務分野に集中させることが期待されています。

物流業界は世界最大のロボットのマーケティング市場に

もうひとつの事例として紹介するのは、ネット通販大手Amazon.comが導入した倉庫内を動き回るロボットです。

このロボットは商品が陳列された「棚の下に入る」ことで、倉庫内を縦横無尽に動き回ります。手順としては次のようなものです。棚入れの担当者が入荷した商品を棚にいれて在庫登録をすると、商品棚は在庫エリアに自動で戻ります。受注があったら人ではなく、商品棚自体が棚出し担当者のところまで移動し、担当者はその場で商品を取り出して発送の準備に取り掛かります。棚入れ、棚出し、収納まで自動なので、人が移動する無駄な時間が発生しません。

ロボットは床に搭載されたバーコードを読み取ることで人の位置を把握し倉庫内を移動しています。ほかのロボットに衝突することがないことや、頻繁に入出庫される棚の配置は人がいる作業スペースにするなど、AIを利用した機能が搭載されているのです。また、人間が動き回る必要がなくなるため、棚の保管場所もさらに無駄なく使え、在庫スペース確保の観点からも改善を行うことができます。

 

冒頭で述べたような物流業界でのドライバーや倉庫内作業員の人材不足は、今後ますます深刻になっていくと見られています。解決の糸口とされるAIによる物流システムの構築や、IoTを用いた自動化作業、さらにはドローンを使っての無人配送システムの実現に向けて、ロボットの導入を検討する段階にきています。今後より一層ニーズが高まることで、物流業界のロボット市場は拡大を広めていくでしょう。

 

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