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【梱包道場】サーキュラーエコノミーと循環型包装とSDGs

【梱包道場】サーキュラーエコノミーと循環型包装とSDGs

【梱包道場】は、トヨコン社員・木村ラマヌジャンが、設計や素材など、梱包の基本的な知識について学んでいくシリーズです。

~ある日のトヨコン・豊川営業所~

ラマヌジャン「先輩! 先輩先輩先輩先輩! いいアイデアありませんか? 先輩!」

K先輩「なんだなんだ? 落ち着いて説明してみろ」

ラマヌジャン「あっすみません! えっと、数日前にお客様から相談を受けまして」

K先輩「どんなお客様からどんな相談だ?」

ラマヌジャン「はい、SDGsや環境問題への意識はしっかりとお持ちの中小企業のお客様で、何か包装資材に関して取り組みを進められないかというご相談です」

K先輩「なるほど」

ラマヌジャン「ただ、あまり予算はかけられないそうで……コストをかけてそういった取り組みを進めるのは躊躇するとおっしゃっていて」

K先輩「それでラマヌジャンも悩んでいたわけか」

ラマヌジャン「はい……でも何もいい考えが浮かんでこなくて……」

K先輩「俺も、別のお客様からちょうど同じような相談を受けているところだから一緒に考えてみようか」

ラマヌジャン「えっ、先輩も?やった!一緒に考えましょう!むしろ先輩アイデア出してください! はい、どうぞ!」

K先輩「おまえなぁ……じゃあまず、今の包装はどういった課題を持っているのか、から考え直してみようか」

従来の包装が持つ課題とは

機能やコストを追求して進化してきた包装ですが、環境意識や時代背景の変化とともに新たに課題も浮上してきています。

現代の包装はどのような課題を持っているのでしょうか。

包装の役割

包装には、個装、内装、外装の3つの形態があります。

  • 個装:外部からの接触やホコリから商品を保護する役割があります。
        また、食品衛生の観点からも重要な役割を果たしています。
  • 内装:外部からの水や湿気を遮断することで商品の品質を保ち、衝撃から守ることで
       商品の破損を防ぐこともできます。
  • 外装:商品をまとめて運搬するための機能と、情報表示の機能があります。

このように、包装は商品を保護することで、商品の品質や安全性を確保するために必要不可欠な役割を果たしています。

包装に多用されるプラスチック

現代の包装は、プラスチックによって作られているものが少なくありません。

プラスチック包装材は加工しやすく、さまざまな形状にできるという特徴から汎用性が高く、密閉性や遮光性、防水性、緩衝性など優れた機能を持たせることができます。こういった機能は、現代の包装が持つ役割を果たすために必要不可欠なものとなっています。特に密閉性や防水性を考えると欠かせないものです。

プラスチック中心の包装が抱える課題

現代の包装に欠かせないものとなっているプラスチック材料ですが、プラスチックを使うことについての課題もあります。

  • 枯渇性資源から作られていること
  • 自然に分解されないこと

従来から使われているプラスチックの大半は石油資源から作られているため、使い尽くしてしまうと枯渇し、それ以降使うことができません。また、自然に分解されるには長い年月がかかるため、海洋ごみやマイクロプラスチックとして残り続けることがわかっています。これらの問題は、人の暮らしと地球環境の持続的な両立を目指す上で大きな課題となります。SDGsの観点からも、従来からのプラスチック包装を使い続ける消費社会から脱却する方法が模索されています。 

ラマヌジャン「やっぱりプラスチックは包装材として地球環境や持続性を考えると課題がありますね」

K先輩「そうだなあ……だが今の包装はプラスチックの機能性が頼りっていう面もあって、これがなくなったら商品を届けられない地域が増えたり、安全性が低下したりと、流通バランスが崩れてしまうんだよな」

ラマヌジャン「うーん難しいですねえ……何か新しい考え方が必要な気がします」

K先輩「そこでだ、サーキュラーエコノミーっていう考え方が注目されてきている」

ラマヌジャン「さ、サーキュ……!? 詳しく教えてください!」 

注目されるサーキュラーエコノミー

プラスチック材料は、今のまま使い続けていくといずれ枯渇し、地球環境への影響も増大していくことが明確です。そこで、製造・消費・廃棄へと一方通行の流れではなく、循環するシステムが必要とされています。

しかし、単純にプラスチックのリサイクルを進め自然由来の原料を使うことを目標とするだけでは、循環の仕組みは定着しないと考えられています。リサイクルの仕組み構築や自然由来原料への変更は、コストをかけなければならない場合も少なくありません。

企業は社会の構成要素としての責任を持つものの、利益を確保しなければ経営が持続できず社会的責任も果たせなくなります。利益確保を考えた場合、コストをかけてリサイクルや原料変更を進めるメリットがなければ、企業はその取り組みを続ける理由が乏しくなってしまいます。そこで、循環の仕組みと経済モデルを結びつけて考える必要があります。企業が循環の仕組みに取り組みながら利益を確保する方法を取り入れることで、継続的な循環システムを定着させることができるという考え方です。

こういった循環型の経済モデルは、サーキュラーエコノミーと呼ばれています。

サーキュラーエコノミーは循環型経済とも呼ばれ、製品の材料や製造過程で消費される資源についての循環を目指す経済モデルです。

サーキュラーエコノミー(出展:環境省).png

(出典:令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第2章第2節 循環経済への移行|環境省
 
従来の経済モデルは、リニアエコノミー(線形経済)と呼ばれる流れによって成り立っていました。原材料を投入、製品を作ってそれが利用され、最終的に廃棄物となって消費されていく、という一方通行の経済です。しかし、このような大量投入、大量生産、大量消費、そして、大量廃棄の経済には持続性がありません。いつかは資源が枯渇し、廃棄物があふれてしまいます。そこで、製品を利用したあとにリサイクルし、再び製品としてよみがえらせることで原材料の投入量も少なくするという循環の仕組みが提唱されました。当然、リサイクルだけではなくリユースとリデュースも合わせた3Rを進めます。

すでに製品として加工されているものも資源ストックと考え、これを有効活用しながら付加価値を高め、経済効果へとつなげていきます。これにより、取り組みを進める企業にとってもメリットがあり、経済の仕組みとしても定着させることが可能になる、という考え方です。

日本ではこの循環経済により、世界経済での市場競争力を高めることも視野に入れ取り組みを進めています。

サーキュラーエコノミーとSDGs

SDGsは17の項目からなる持続可能な開発目標です。これらの目標は人の暮らしと地球環境の保全を両立した持続可能な社会を目指すために設定されました。もし、循環の仕組みを作る際に、企業にとっても経済的メリットがなければその仕組みは持続していくことができません。

サーキュラーエコノミーがこれまでの取り組みと明確に違うのは、個人や企業にとって経済的なメリットが生じる経済活動の一部として成立していることです。経済的なメリットがあることで、積極的かつ継続的に取り組むことが可能になります。サーキュラーエコノミーには、持続可能な社会を目指すための取り組みを、持続的に進めるための仕組みが成立します。二重の意味で持続性を持たせることができるということから、サーキュラーエコノミーとSDGsとの適合性は大いに高いと言えます。

サーキュラーエコノミーを実現するためには

サーキュラーエコノミーを実現するためには次のような条件が必要です。

3Rの推進

3Rは、Reduce(減らす)、Reuse(再利用)、Recycle(再生利用)を同時に進めていく取り組みのことです。これらをそれぞれ強化することで線形の消費経済から脱却できる可能性が高くなります。

資源の投入量と消費量を抑制

サーキュラーエコノミーの実現のためには、循環の流れを整えて投入する原材料を少なくすることが重要です。投入量と消費量、どちらが過剰になっても循環のバランスをとることができません。

資源ストックの仕組み整備

世界全体や国ごと、地域ごとに、そのときに必要としている資源の種類や量は変動します。このような必要資源の変化を吸収できるように、資源をストックして適正かつ有効に利用する仕組みを整えることが重要です。すでに製品として加工されているものについても、そこに含まれる原材料を資源ストックとみなすことができます。

付加価値の創出と最大化

サーキュラーエコノミーを一過性のものではなく継続していくためには、経済活動として成立するよう付加価値を創出する必要があります。リサイクル原料やリユース製品を使ってできることや、リサイクルやリユースの工夫自体に価値を付加し、その価値を最大化させる仕組みを整えます。

自然界に存在する資本の保存と再生

サーキュラーエコノミーが継続的な取り組みとして定着するためには、自然システムの再生も重要とされています。自然界に存在する資源も含めて循環の流れを作るためには、自然界に存在する資源の再生も考えなければなりません。自然資本を保存・再生・増加させることで、投入する原材料もさらに大きな循環の一部となり、サーキュラーエコノミーが実現可能なものとなります。

循環型包装とは

このようなサーキュラーエコノミーの考え方を取り入れた包装が循環型包装です。従来の包装は、一度使ったら廃棄され、再利用されることはほとんどない一方通行の消費でした。しかし、循環型包装は回収された包装材料を再利用することで廃棄物の発生を減らし、環境負荷の軽減にもつながります。また、廃棄物処理にかかるコストを削減でき、経済的なメリットも両立しているのが特徴です。

循環型包装としては、リサイクルプラスチック容器や、リサイクル性の高い紙包装、繰り返し使用できるガラス容器などがあげられます。また、近年ではバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックなど、環境負荷の低い素材を使用した循環型包装も増えています。使用後に簡単に回収・再利用できる包装材、環境への負荷が低い包装材を使うことで、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めることができます。 

ラマヌジャン「なるほど……サーキュラーエコノミーと循環型包装、これからの包装材はこういった取り組みも取り入れながら変化していく必要がありそうですね」

K先輩「そうだな、包装材を提供する側、包装材を使う側、そして包装材を消費する側が全体で取り組んでいくことで実現するのかもな」

ラマヌジャン「しかもこういった取り組みならコストを削減しながら進めることもできちゃうんですね! これはお客様にもおすすめできます!」

K先輩「循環型包装を導入することでSDGsにもつながっていくから、意義は大きいということも伝えてみるといいと思うぞ」

ラマヌジャン「キュンキュンするほど循環型でエコノミー、略して『キュン環型包装ノミー』、これでおすすめしていこうと思います!」

K先輩「いや、さすがにそれじゃ意味がわからないぞ!!」 

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