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包装設計・梱包設計の基礎知識―自社設計する場合に重要なポイントとは

包装設計・梱包設計の基礎知識―自社設計する場合に重要なポイントとは

現代の発達した輸送網による物流において、包装も重要な商品価値の一部と考えられるようになっています。これとともに、包装設計も重要な意味を持つようになりました。商品の包装をオーダーメイドで設計する場合、どのような考え方で包装設計をすすめたらよいのでしょうか。包装の役割や包装形態の分類、包装設計の重要なポイントをご紹介します。

包装の目的と包装資材の役割

包装設計について考える前に、そもそも包装はどういった目的で行うもので、梱包とはどのように違うのか、その意味から確認しておきましょう。また、包装資材にはどのような役割があるのかを見ていきます。

「包装」と「梱包」について

「包装」と似た言葉として、「梱包」があります。この二つの言葉ははとてもよく似た概念で、「包装」という大きな括りがあり、「梱包」がその中に含まれます。

「包装」には次の2つの種類があります。

  1. 商業包装(商取引に用いられる商品の一部としての包装)
  2. 工業包装(物品の輸送や保管を主目的とする包装)

上記の中で、2の工業包装を一般的に「梱包」といいます。

では、「包装」と「梱包」では目的としてどのような違いがあるでしょうか。JIS(日本産業規格)ではそれぞれ次のように定義しています。

  • 「包装」
    物品の輸送、保管、取引、使用などに当たって、その価値及び状態を維持するための適切な材料、容器、それらに物品を収納する作業並びにそれらを施す技術又は施した状態。
  • 「梱包」
    輸送を目的とした木製容器、鋼製容器、段ボール製容器などによる包装。荷造りと呼ぶこともある。

このように、包装と梱包は目的によって違いがあります。

梱包の目的

JISでは梱包は輸送を目的とする包装とされていますが、この輸送という目的は細分化すると次のような内容も含まれます。

  • 内容物の保護
  • 輸送運搬についての利便性
  • 情報の表示と伝達

これらは梱包の三大機能として、梱包資材に求められる重要な機能です。

衝撃や温度など品質・価値に影響するさまざまな要因から内容物を保護し、輸送時の取り扱いを容易にすることが求められます。また、内容物に関連する情報を表示することで輸送の利便性を向上させながら、内容物の良さをアピールする機能も持たせることができます。このように、輸送の手法や仕組みが進化するとともに、輸送を目的とする包装である梱包の機能も向上しています。

包装の形態と役割分担

包装は大きく3つの形態に分けられ、それぞれ役割分担をしていることが少なくありません。3つの役割を見ていきましょう。

個装

商品を1個ずつ個別にする包装です。店頭での陳列効率化、商品同士の接触や商品に手を触れられることからの保護、個別に商品情報を表示するなどの役割を持ちます。食品を長持ちさせたり、精密機器をホコリから守ったりといった、特殊な役割を持つこともあります。

内装

商品を輸送する際の内部の包装です。衝撃から商品を守る、水や湿気の侵入を防ぐ、温度を保つ、光や熱を遮るなどの役割があります。

外装

商品を輸送する際の外部の包装(梱包)です。複数の商品をまとめて梱包し輸送の利便性を向上、情報を外部に表示するといった役割を持ちます。

包装設計で考えるべきポイント

包装設計で重要となるポイントは次のとおりです。

要件を明確にして設計開始

包装設計をする際には、商品の性質に合わせてどのような目的に重点を置いて包装するかを考え、包装の要件が明確になったら設計を始めます。要件によって個装は必要か、内装と外装はどのような機能が必要か、外装にはどのような情報の表示が必要かなどを考え、安全性や利便性などを計算しながら設計します。

また、自社製品を輸送するための包装を考える際は、自社でどこまで考えるべきかという境界線を決めなければなりません。この場合、商品の特性、出荷量などを考慮し、自社内の包装設計をどこまでの範囲で行うか考えるのがおすすめです。

メリットを考え社内・委託を選択

包装設計では次の2つを比較し、よりメリットの大きな方法を選択すると効率的です。

  • 設計や試作のためのコストや人員、資材などの社内リソース使用量
  • 保護性能・利便性(保管、積載、陳列における効率)・情報伝達力などの包装の質

社内設計をする場合は、社内のリソースを使用して時間やコストをかける必要があり、委託する場合は、自社の社員が時間を取られず包装の機能性も高品質となることが期待できます。

もし、取り扱う商品が量産品であれば、設計した包装も大量に使われることになります。このとき、包装資材の設計が使用に際して非効率であったり、過剰であったりすると、包装資材コストはどんどん膨らんでいきます。

こういった点から、委託することで最適な包装設計ができ、資材コストを削減できるという場合も少なくありません。

設計の進め方

トヨコンの包装設計では次のような手順で設計を進めます。

  1. 初回打ち合わせ後、製品詳細をお伺いし、設計概略案を作成します。
  2. 方向性をすり合わせ、製品図面や製品サンプルをもとにサンプルを作成し、再度打ち合わせをします。
  3. サンプルによって実際に形を見ながら打ち合わせをすることで、使用する際のイメージが沸き、さまざまな視点からの要望や懸念事項を洗い出すことができます。
  4. ご要望を仕様に反映し、最終提案へ。メーカーサンプルによって検証後、量産へと進みます。
    ※提案回数や進行手順は、案件や納期によって異なります。
  5. お客様とのやり取りは、案件ごとに専属の設計担当者が行います。基本的には、営業担当が窓口となり対応いたします。

綿密な打ち合わせと、図面やサンプルによってイメージをつかみやすくすることで、大切な商品を確実に保護する包装設計が可能になります。

包装設計は包装の目的、機能とコストのバランスを考えて

包装設計は、包装の目的として何が重要かを明確にし、機能とコストのバランスを取りながら要件を満たす包装方法を考えることが重要です。特に、自社製品の包装を社内で設計する場合は、委託するのか社内リソースを使うのか、機能性の担保をどこまで想定するのかといった境界線の見定めが必要になります。

今回は包装設計の基礎知識についてお伝えしました。導入事例をもとに実際の包装設計の流れを紹介したブログもございます。包装設計の検討の際にお役立てください。(関連記事:【地味にスゴイ!包装設計】SDGs思考の梱包資材 – 脱プラ編|とことんブログ

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