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シリカゲルだけが乾燥剤じゃない!それぞれの特徴や違いとは?

シリカゲルだけが乾燥剤じゃない!それぞれの特徴や違いとは?

大切な商品が湿気ないように同封されている乾燥剤には、さまざまな種類があります。食品に使用されるビーズタイプや、押し入れに入れて湿気を吸収すると水になるタイプなど、乾燥剤は多種多様。物流の現場においても、梱包内の湿度調整に乾燥剤は欠かせません。

適切に使用しないと、大切な商品にダメージを与えかねない乾燥剤。今回はシリカゲルをはじめとする乾燥剤について、知っておきたい特徴をご紹介します。

乾燥剤の種類や特徴はどういったものか

乾燥剤の種類は豊富で、湿気を取った後の状態も異なります。主な乾燥剤について、それぞれの種類や特徴について見てみましょう。

  • シリカゲル

水分を含め、ほとんどの液体・気体を乾燥させられます。二酸化ケイ素が原料で透明のビーズ状で、小さな穴開け加工がされたアルミ袋やポリフィルム袋、通気性のよい不織布袋入りなどがあります。
吸湿しても溶けたりふくらんだりすることなく、最も汎用的に使用されている乾燥剤でしょう。原料の二酸化ケイ素が安全性の高い物質なので、食品の乾燥剤としてもよく使用されます。

青色の粒が入っていることがありますが、塩化コバルトで着色されたシリカゲルです。通常は青色、吸湿するとピンク色という塩化コバルトの性質を利用し、インジケーターの役割があります。

  • 生石灰(酸化カルシウム)

酸化カルシウムが原料の、耐水紙や耐油紙の袋に入った粉末状の乾燥剤です。価格が低く吸収力があり、周囲の湿気で吸湿割合が変化しないため、広く使われています。ただし、生石灰は水分に反応して消石灰(水酸化カルシウム)に変化して体積が膨張します。

容量に余裕をもって使用しないと商品を破損するおそれがあるので注意してください。急に大量に吸湿した場合は発熱するため、そちらも考慮して使用しましょう。

  • 塩化カルシウム

非常に吸湿性が高く、湿気を吸収すると液化してゼリー状になります。押入れの吸湿剤などに使われているのが塩化カルシウムです。使用の際は生石灰と同様に急に吸湿すると発熱すること、金属に触れるとさびが発生する可能性があることを念頭においてください。

天然パルプに塩化カルシウムを含浸させた、シート状の乾燥剤としても用いられています。吸湿スピードが速く、食感を保ちたい個包装のクッキーやパイなどでよく使用されています。

  • デシクレイ(クレイ系乾燥剤)

ベントナイトなど天然の粘土鉱物を原料とした乾燥剤です。外気の湿度に吸湿性能があまり変化せず、大きさや形も変化しません。耐薬性にも優れ、湿気だけでなく臭い成分も吸着します。シリカゲルと比べて低湿度での吸湿性が高く、機械梱包や電子部品などの乾燥に適しています。

  • 合成ゼオライト

シート状、タブレット状の乾燥剤です。吸水力が高く、サプリメントなど少しの水分でも影響を受けやすい商品に使用されることが多いのが特徴です。吸着・分離、触媒、イオン効果などの機能があり、乾燥剤以外でもさまざまな場面で役立てられています。

化学的乾燥剤と物理的乾燥剤

乾燥剤には化学的乾燥剤と物理的乾燥剤があります。化学的乾燥剤とは、水分と化合して化学反応を起こすことで吸湿する乾燥剤。物理的乾燥剤は物質の表面が多孔質で、そこに水分が吸湿する性質を利用した乾燥剤です。
生石灰や塩化カルシウムは化学的乾燥剤、シリカゲルやデシクレイ、合成ゼオライトは物理的乾燥剤です。

輸送や保管時の乾燥剤の使い方や注意とは

大切な商品を扱う物流現場において、湿気は大敵です。食品はもちろん、木材や精密機器など湿気を嫌う物はたくさんありますし、輸送コンテナで結露が発生すれば「汗濡れ」損害が起きることも。お客さまの大切な商品を扱うのですから、徹底した管理をしなければなりません。現場では商品を守るために乾燥剤が役立ちます。

商品は湿気を含んでしまうとさびやカビ、曇り、変色などの影響があります。そのため、梱包作業は極力短時間で行い、作業空間の湿気を商品に含ませないようにします。作業場所の湿気を可能な限り発生させないようにすること、商品と一緒に乾燥剤を梱包することなどの対策が必要でしょう。

除湿梱包材としてはフィルムにアルミコーティングされたものや、透明なフィルムのものがあります。輸出用の梱包では税関での検閲時に中身が確認しやすいように、透明フィルムが活用されています。物流現場では水分を発生させない温度管理を徹底することと、併せて乾燥剤を取り入れることが不可欠でしょう。

乾燥剤は再利用できる?廃棄の際に気をつける点は

一度使ったら廃棄と思われがちの乾燥剤ですが、再度使える方法もあります。吸湿した消石灰は土壌改良材としての効果があるといわれており、一般家庭であればこれを肥料としてガーデニングに利用することもできるでしょう。実際に消石灰を再利用した肥料も販売されているようです。

また、シリカゲルは熱を加えると吸収力が戻る特性があり、ピンク色だったシリカゲルが青色に変わります。使用するのが少量の場合は、物流の現場でも布製の袋に入れて再利用が可能かもしれません。作業する時は乾燥剤が体内に付着しないよう、マスクやゴーグルで防御しましょう。

物流の現場で大量の乾燥剤を使用している場合、個々に再利用のために作業するのはあまり現実的ではありません。廃棄についても考える必要があります。
法律では産業廃棄物について、「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」と定めています(「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」)。先にも挙げた代表的な乾燥剤のシリカゲルは通常、汚泥として処分することになります。

どこに該当するかわからない場合は、乾燥剤を扱う専門業者に相談するとよいでしょう。安易な考えで家庭ごみのように廃棄してはなりませんが、逆に上記に該当せず一般廃棄物として処分可能なケースもあります。最近ではこうした事情を考慮した、一般廃棄物として処分可能であることが明記された乾燥剤も販売されています。

まとめ

私たちの身近にある乾燥剤は湿気から商品を守ってくれます。その種類も豊富で用途によって形状や使い道はさまざま。どんなものに使うのか、どんな状態で輸送するのかなどを踏まえ、うまく選択することで大切な商品を守ることができます。

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