SDGs迫られる企業のEX(Environmental Transformation)
SDGsや脱炭素がTVやマスコミで連日取上げられるようになり、耳慣れたワードとなりました。レジ袋の有料化やエコバッグはすっかり慣習化され、2019年秋に本ブログを書き始めた頃から一変した感があります。
脱炭素社会の実現に向けて
昨年末、日本政府は「SDGsアクションプラン2021」を決定、発表しましたが、特に2050年までに 温室効果ガス排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」は大きく取り上げられました。これより少し前、自動車業界に衝撃的なニュースとなる「日本、ガソリン自動車の2030年以降禁止」が流れました。
具体的な規制内容はこれからですが近い将来、ガソリン車やディーゼル車に対し規制強化がされるだろうと 世間は認知したはずです。
各国の取り組み
欧州はドイツ、オランダ、フランス、イギリス、スペインほか多くの国がハイブリッド車を含めたガソリン車の販売禁止を強力に推進しています。2025年までにすべての乗用新車販売をEVや燃料電池車などゼロエミッション車とすることを目指すと宣言し、世界にいち早くEVを意識させたノルウェーは、2020年販売シェアにおいてEVが54%と過半数を超え、PHV20%、ディーゼル9%、ガソリン8%と1月27日フランクフルト発の日経記事がありました。
最もCO2排出量が多いとされる中国は、2060年CO2排出実質ゼロを発表し世界を驚かせました。既にハイブリッド車への規制はないものの、ガソリン車は2035年から販売を禁止すると発表しており、その市場規模から考えると、産業界への影響は最も大きいと考えられます。EV用モータや素材に必要なレアアースの大半を握る中国が北米主導の経済を環境をキーとしてリードし主導する決意を感じる発表でした。
これらの動きは、SDGsを発端とするESG投資、経済効果を鑑みた動きと捉えられます。
”持続可能でよりよい世界”のために
SDGsは、全人類が平等かつ平和に”持続可能でよりよい世界”を達成することを目標としていることは間違いありませんが、その活動がもたらす経済効果は計り知れず、如何に先んじるか、主導権を持つことが今後の世界をリードすることになるだろうことは容易に想像ができると思います。
上述のように大局的な動きが注目されますが、SDGsは個人や企業の活動が必須であり期待されています。
今後は、目標を達成するための関係省庁や政府の対策、規制強化策など施行されることが想定される上に、経産省は環境省をオブザーバーとしてCO2排出量に課税する「カーボンプライシング」の議論に入ると発表しました。個々の企業にとって排出量削減の具体的対応をせざるを得ない規制となることが想定され、直面する課題となる気配です。
ITを活用した大きな変革・・・DX (Digital Transformation) が叫ばれ話題ですが、環境対応やESG経営といった大きな変革・・・言うならばEX(Environmental Transformation)もすべての企業に急速に迫りつつあることを認知し対応していく必要がありそうです。