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脱プラが社会の主流に!梱包作業に必要な視点と代替材を解説

脱プラが社会の主流に!梱包作業に必要な視点と代替材を解説

 
持続可能な社会への取り組みが世界的に進む中、脱プラスチックはすべての業界においての課題となっています。物流で使われる梱包材もまたその一つ。物流では、特に大型のものやたくさんの量が使用されるため、脱プラ化に成功すれば大きな社会貢献につながります。今回は梱包作業の脱プラが急がれる理由や、脱プラを実現する梱包材の紹介をしていきます。

物流業界での脱プラが急がれる背景

SDGsについての考え方が社会全体に浸透する中で、物流業界でも脱プラへの取り組みが注目されています。
 
プラスチック原料である石油は、太古から蓄積されてきた有限な資源であり、現時点で確認されている埋蔵量では半世紀程度しか持たない計算とされています。地球資源に配慮しながら持続可能な社会にしていくためには、化石燃料への依存度を少しでも減らしていく必要があります。
 
一方、現在の日本では99.7%の石油が輸入に頼っています。この状況のままでは、決して持続可能であるとは言えないでしょう。
 
また近年は、プラスチックによる環境汚染も深刻化しています。不適切な処理により海洋・土壌・大気への汚染が問題となっており、自然界の生物や人間への健康被害が懸念されています。食卓に上る身近な食材を通じて、マイクロプラスチックがすでにヒトの体内に蓄積されているという研究もあるほどです。
 
こうした背景を受けて、サービス業を始め、脱プラの動きが加速しています。すでに一般化したエコバッグ持参の取り組みや、コンビニエンスストアによっては、スプーン・フォークなど、プラスチック製品の無料提供廃止の動きは、消費者の脱プラについての意識を高めていると思われます。
 
世界に目を向けると、中国の廃棄プラスチックの受け入れ拒否が話題となっています。受け入れ先がなくなることで、廃棄プラスチック排出国の課題が増大。日本の2020年の廃棄プラスチック総排出量は822万tで、減少傾向にあるものの世界の上位にランクしています。今後はさらに国全体で廃棄プラスチックの量を、どう減らしていくかが大きな課題となります。
 
国連による持続可能な社会に向けた「行動の呼びかけ」は、以下の通りです。
“市場メカニズムを活用した解決策、廃棄物管理システムの整備、繰り返し利用可能な商品等の代替品の開発等通じて、3Rの推進とごみの発生抑制を行う”
 
国の産業の根幹を担う物流業界でも、この呼びかけに批准したさまざまな行動が問われることになります。

脱プラを実現する梱包材の紹介

脱プラを実現するためには、持続可能な社会へ配慮した梱包材を活用していくことが必要です。プラスチック製品と代替していくことで、脱プラへの取り組みが可能となります。脱プラを推進できる梱包材には、以下のようなものがあります。
  

  • 紙製緩衝材
    紙は丸めたり、包んだりと柔軟性がある資材です。多様な形状に合わせて固定材や包装材として使用できます。そして紙は環境対策としても有効的です。加工には接着剤を使用していないため、100%紙製の環境にやさしい緩衝材です。株式会社トヨコンでは、FSC(国際的な森林管理認証を行う協議会)の認証を取得した森林から作られている紙緩衝材を提供しています。脱プラに向けて梱包材選びに悩んだ時には、ぜひご確認ください。

    (関連記事:紙製緩衝材システム – 物流改善・梱包材のことなら | 株式会社トヨコン)

  • 立体紙緩衝材
    段ボール材を立体製造する技術を用いて作られており、発泡プラスチック緩衝材の代替となる省スペース化・低コスト化の緩衝材です。組み立てが容易で、かつ高い衝撃吸収性があります。
    (関連記事:【SDGs思考の梱包資材】立体紙緩衝材”ワッフルパッド®)
      
  • クラフト紙
    漂白工程を行わない用紙で、再生紙が多く見られます。
      
  • ボーガスペーパー
    わら半紙や新聞で使われている紙です。こちらも多くは再生紙です。
      
  • コーンスターチ製バラ緩衝材
    一般的な発泡スチロールではなく、安全性の高い食品性の原料から作られたバラ緩衝材です。焼却しても有害物質が発生しません。
      
  • 紙パッキン
    再生紙を利用し、細かく切断して作られたわらのような緩衝材です。
      
  • 薄葉紙
    ギフトラッピング、高級品の緩衝材として使われる薄手の用紙です。サトウキビの搾りかすから作るバガスパルプを配合したエコな製品も登場しています。
      
  • 巻き段ボール・エンボス加工紙
    波型の紙と貼り合わせた包装用段ボール、紙表面に凹凸をつけて緩衝性を高めた加工紙です。

 脱プラを成功させるためのポイント

脱プラを成功に導くためには、以下のようなポイントを押さえながら進めていくことが大切です。
  

  • 自社の事業におけるプラスチック利用の現状を把握する
    脱プラへの施策は、どのような規模の企業でも今後必要とされる取り組みであると考えられます。とはいっても、無理に脱プラを進めて事業経営に大きな影響が出るのでは継続が難しくなります。脱プラ効果の高さとコストや物流現場の事情を検討し、どこから着手すべきかを見極めていくことが大切です。コストだけではなく、水濡れ、商品への影響、耐久性など脱プラ化を図った場合の現場へのマイナス面を確認し、適合できる梱包材を選んで採用していくようにします。
      
  • 段階的な実施を図るため優先順位を検討
    現状把握を十分に行った後は、優先順位を決め、スモールスタートで脱プラを徐々に拡大していきます。費用対効果、顧客からの反応を探りながら、現実的な路線で進めていくことで、確実に継続できる取り組みができます。
      
  • 現場の声を収集し、反映させながら実施を続行
    脱プラを図るうえでもっとも重視したいのが、現場の声です。扱いや作業についての課題を随時確認し、別の脱プラ資材に変更する、代替品候補をさらに広げるなど改善策を探ります。
      

SDGsに配慮した梱包については、以下の記事でも詳しく解説しています。併せてぜひご一読ください。
(関連記事:SDGs思考の梱包仕様化を成功させるポイント)

代替品を吟味しながら脱プラを実現しよう

プラスチックの梱包材は、成形のしやすさや価格の安さ、耐久性など便利な点が多くあります。それだけに、なかなか脱プラに踏み切れないでいるという企業もあるのではないでしょうか。しかし現在では、実用性に富む優れた脱プラ梱包材が、多数登場しています。従来の梱包仕様条件は変えずに、環境に配慮した梱包材に変更ができ、さらにコストダウンにつなげられる可能性もあります。自社の梱包条件を明確にし、それにマッチする梱包材を選択することが、脱プラ成功のカギとなりそうです。 

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