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パレットでSDGsの取り組みを進める?持続可能なマテハン用品の選び方

パレットでSDGsの取り組みを進める?持続可能なマテハン用品の選び方

物流業界にとってもSDGsは大切なテーマであり、小さなことでも取り組みを積み重ねていくことで持続可能な社会の実現につながります。そこで、今回は物流にとって欠かせないマテハン用品の代表ともいうべき、パレットをSDGsの視点から考えてみます。パレットの工夫によりSDGsへの取り組みを進めることはできるのでしょうか。 

SDGsからマテハン用品を考える

物流に欠かすことのできないマテハン用品に着目してSDGsの取り組みを進めることで、物流全体のSDGs対応も進めることができます。マテハン用品と環境はどのように関わっているのでしょうか。

物流に欠かせないマテハン用品

マテハンは「マテリアルハンドリング」を略した言葉で、商品の移動に関わること全般を指します。広い意味では物流全般を指しますが、一般的には製造・保管・出荷などの工程上において商品を移動させる場合に使います。
 
こういった商品の移動の際に使用する用品が、マテハン用品です。マテハン用品には、商品を移動させるためのコンベヤのような機械、フォークリフトのような車両、人力で運ぶための台車など、さまざまな種類があります。また、多くの商品を入れて運搬しやすくするためのカゴやコンテナなども、マテハン用品です。

このように、多種多様なマテハン用品がありますが、その代表格とも言えるのがパレットです。

現代の物流では、多くの商品がパレット単位で輸送されます。パレットがある程度の規格で統一されていることで、現代の物流における商品の受け渡しが成り立っているとも言えます。物流において重要な役割を持つパレットは、どのように変化してきたのでしょうか。

パレットの変革とSDGs

マテハン用品には、プラスチックで作られているものも少なくありません。マテハン用品の代表格とも言えるパレットも、プラスチック製が普及しています。以前は木製パレットが主流でしたが、軽くて丈夫で、清潔性も高いプラスチックパレットへと置き換わりが進み、今ではプラスチックパレットが主流となっています。

しかし、環境配慮への意識の高まりや、SDGs達成に向けた社会全体での取り組みから、プラスチックパレットの大量消費は考え直さなければならない岐路に立たされています。

そこで、再び選択肢として注目されるようになったのが木製パレットです。木製パレットは、計画的な植林を行うことで自然から持続的に得られる材料で作ることができるため、SDGsの考え方とも一致しています。ところが、ある理由から木製パレットへと戻ることのできない事情が存在します。それが、長引くウッドショックの影響です。

ウッドショックは、アメリカを中心に起こった住宅需要の急増に端を発し、住宅ローン低金利化によって拍車がかかりました。また、その後のロシア・ウクライナ紛争勃発により、世界2位の木材輸出大国であるロシアからの供給が減少し、ウッドショックは長引いています。ウッドショックの影響による木材不足から、木製パレットを以前のように低コストで作ることは不可能となっています。

そこで、木ではない原料、または木を使いながら木材不足を補える原料を使った、環境負荷の低いパレットの開発が進んでいます。

SDGsには労働環境も含まれる

SDGsで注目されがちなのは、自然環境への配慮や環境負荷低減、再生可能エネルギーの普及、CO2排出量削減など、地球環境の保護や再生に関するものです。しかし、17の目標に含まれるのはそれら環境に関する課題だけではありません。ジェンダー平等の実現や、持続可能な労働環境なども盛り込まれています。

従来の木製パレットに代表されるマテハン用品は、重いものや扱いにくいものが少なくありません。これが、物流業界における女性の働きにくさや、労働環境の悪化につながる可能性もありました。

こういった観点からも、マテハン用品は必要な強度は維持しつつ軽さの追求が必要とされます。このような理由から、プラスチックの大量消費を抑えつつ、木製パレットに比べて取り扱いが容易で、さらに木材不足の影響も小さい、SDGsを考慮したパレットが注目されています。

SDGs対応のパレット

SDGsに対応したパレットとして次のような種類があります。

バイオマス配合の再生プラスチックパレット

バイオマスを配合し、さらに再生プラスチックを使用することで、石油原料から作られるプラスチックの使用量を減らしたパレットです。バイオマスとしては牛乳パック由来のセルロースが用いられたものがあります。

SDGsでは12番目の目標「つくる責任、つかう責任」と、13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」への対策となります。(関連商品 : Mパレット | トヨコン商品一覧)

軽量リサイクルパレット

メッシュの構造を工夫することで強度を維持しながら軽量化したパレットです。さらに再生プラスチックを原料として使用しています。軽いため労務改善が見込め、輸送時のエネルギー効率も向上します。

SDGsでは5番目の目標「ジェンダー平等を実現しよう」、12番目の目標「つくる責任、つかう責任」、13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」への対策となります。(関連商品:国内軽量リサイクルパレット| トヨコン商品一覧)

紙製パレット・段ボールパレット

紙で作られたパレットも普及しています。ハニカム構造により強度と軽さも両立しているAPPAパレット、強化段ボールを使用したユニパル、作業者負担を軽減する軽量物専用段ボールパレットなどが代表的です。

これらの紙製パレットは、材料となるのは木製パレットと同じく木です。そのため、12番目の目標「つくる責任、つかう責任」、13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」への対策となります。また、計画的な植林によって15番目の目標「陸の豊かさも守ろう」についての取り組みが進みます。

軽量なパレットは輸送効率を向上させるため、7番目の目標「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」の実現につながります。新技術が応用された構造は、9番目の目標「産業と技術革新の基礎をつくろう」へとつながります。 
(関連商品 : 紙製パレット APPAパレット| トヨコン商品一覧)
(関連商品 : ユニパル | トヨコン商品一覧)
(関連商品 : 軽量物専用ダンボールパレット | トヨコン商品一覧)

ウッドプラスチック製パレット

バイオマスプラスチックと木質繊維を混合した材料によって作られるのが、ウッドプラスチック製パレットです。石油原料プラスチックを使用せず、従来は燃料として使用されていた木質繊維をパレットの中に閉じ込めることで、CO2を地上に固定する働きをします。これにより、CO2排出量を7%削減することが可能です。

12番目の目標「つくる責任、つかう責任」、13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」への対策となります。(関連商品 : ウッドプラスチック製パレット | トヨコン商品一覧)

SDGs対応のパレットを使うことで得られる効果

SDGsに対応したパレットを使うことで、次のような効果が生まれます。

プラスチック使用量削減

プラスチックのバージン原料ではなく、再生プラスチック原料やバイオプラスチックの使用、木質材料との混合使用などによりプラスチック使用量を削減できます。

プラスチックを多用する物流業界だからこそ、1つのマテハン用品において使用量を削減することが大きな一歩となります。

サーキュラーエコノミー

原材料から製造、使用、廃棄といった直線的な経済ではなく、輪のような循環型の経済の仕組みがサーキュラーエコノミーです。プラスチックパレットから再生プラスチック原料を作り、再びパレットをとして使うことでサーキュラーエコノミー実現に貢献します。

これは紙製パレットも同様で、高いリサイクル率を誇る段ボールを使ったパレットは、さらにサーキュラーエコノミーに近い存在と言えます。

働き方・労働環境の改善

軽量で取り扱いが容易なパレットやマテハン用品を使うことで労働負荷を軽減します。働き方が改善されると同時に、女性でも取り扱いやすいという意識が浸透することでジェンダー平等にもつながります。

CO2排出量の削減

軽量のパレットを使用することで、フォークリフトの負荷、トラック輸送時の積載重量負荷が小さくなります。これらの負荷が小さくなることでCO2排出量削減に貢献します。パレット1つでは小さな差かもしれません。しかし、物流業界全体で見たとき大きな差となっていきます。

エネルギー消費削減

軽量なパレットを使用することはエネルギー消費の削減にもつながります。トラックの積載量に余裕が生まれるため、輸送効率もアップします。輸送効率が上がれば、さらに環境負荷が小さいとされるHEV(ハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)の輸送用トラック実用化が進み、より持続性の高い環境構築が進んでいくことが予想されます。

サステナビリティ

原材料や消費エネルギー、物流に関するCO2排出量、労働負荷などあらゆる面から、持続可能な社会実現に前進できます。社会的な信頼を得られ、企業としての継続性にもつながっていきます。

持続可能な社会の実現に向けて物流業界ができること

物流にとって欠かすことのできないパレットを通して、SDGsへの取り組みを進める方法を考えました。

持続可能な社会を実現するために提唱されたSDGsは、物流業界とも関わる部分が少なくありません。物流において欠かすことのできないマテハン用品の見直しやパレットの選択によって、環境配慮、労働改善、企業継続性確保など、さまざまな面からSDGsへの取り組みを進めることもできます。

身近な場所にあるパレットだからこそ、始めやすいSDGs対応の一歩目とすることも可能です。

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参考:「SDGs思考の梱包資材」 の教科書|トヨコン

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