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SDGs視点で再注目される段ボールの魅力と特徴とは

SDGs視点で再注目される段ボールの魅力と特徴とは

 
段ボールは梱包材としてとても優れた機能を持ち、多くの場所で活躍している現代の物流に欠かせないものです。その段ボールが、SDGsの観点から再び注目されています。段ボールのどういった部分がSDGsの視点で優れ、どのような場所で段ボールの優れた特性が活かされているのでしょうか。SDGsを通してみたとき、段ボールが持つ優れた特性と魅力、それを支える仕組みについて解説します。

梱包に欠かせない段ボール

段ボールは物流の発展とともに普及と進化を続けてきた、物流になくてはならない存在です。
 
1850年代に誕生した段ボールはその後梱包材として注目され、日本でも木箱に代わる梱包資材として普及しました。今では青果物から精密機器まで、あらゆるものが段ボールで梱包され世界に流通しています。
 
このように、段ボールが梱包材として世界的に普及したのには理由があります。段ボールは次のような優れたメリットがあります。
  

  • サイズや折り目・切れ目などのオーダーメイドが容易
  • 緩衝性と保持性が高い優れた梱包性能
  • 中空構造で保温性・保冷性を維持できる
  • 折りたたんで保管場所を取らない
  • 印刷が容易でデザイン性をプラスできる
  • 天然素材で作られているため自然に還る
  • リサイクル性が高く製造時のCO2排出量も小さい
      

この中で、近年特に注目されるようになっているのが、優れたリサイクル性と低CO2排出量、そして、自然に還る素材ということです。これらの特性によって、段ボールはこれからの社会にも欠かすことのできない梱包材として、再び注目されているのです。

持続可能な社会の実現に適した梱包材とは

段ボールを含め、梱包材の材質に注目が集まるきっかけとなったのが、CO2排出量の問題、プラスチックごみの問題、そして、SDGsの提言による世界的な意識の高まりです。
 
地球温暖化にCO2が深く関わっていることがわかり、京都議定書やパリ協定を通して、世界各国がCO2排出量の削減を進めています。日本ではこれらの協定よりさらに厳しい削減基準を設け、2013年から2030年までの間に温室効果ガスを46%削減することを目標に掲げています。
 
また、近年世界的に注目が集まり、対策が急がれているのが海洋プラスチックごみの問題です。陸上で放置されたプラスチックごみが海へとたどり着き、分解されないまま漂流を続けているのです。これらのプラスチックは潮流で細かく裁断され、マイクロプラスチックとなって海洋生物の体内にとりこまれ、それを食べる人間を含む生物にも取り込まれていることが分かっています。
 
こういった世界的な問題を含む負の遺産が蓄積され、未来の地球環境と社会が持続できなくなることを防がなければなりません。

そのために持続可能な開発目標として提言されたのがSDGsです。SDGsは、17の世界的目標、169の達成基準、232の指標からなる国際的な目標として、取り組むべき具体的な内容にも触れています。SDGsの12番目の目標では、「つくる責任つかう責任」として「廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減」が盛り込まれています。13番目の目標には「気候変動に具体的な対策を」として、温室効果ガス削減がポイントとして挙げられています。
 
こういった世界的な環境問題と、世界的な目標に関して、段ボールがどのように関わっているのかを解説していきます。

段ボールの原材料

段ボールは、複数の段ボール原紙をのりで貼り合わせることによってできています。
 
段ボール原紙はほとんどが再生した古紙とパルプから作られていますが、古紙もパルプももとは木材です。枯渇性資源と異なり、計画的に管理された森の資源が使われているため持続可能な材料です。
 
では、使用されているのりはどうかというと、こちらもトウモロコシから作られるコーンスターチが主な原料です。すべて自然素材であるため、万が一自然界にゴミとして流出しても分解され自然に還ります。
 
また、大気中のCO2を取り込んで育った植物が原料であるため、自然界に存在するCO2の量に変動がないとみなせるため、カーボンニュートラルな存在です。

段ボールのリサイクル率

日本の段ボールの回収率は95%以上と、世界に誇れる数字です。ここから段ボール古紙が作られ、90%の段ボール古紙とパルプを混ぜることで新たな段ボール原紙が作られます。高い回収率と再生率により、段ボールはその大部分が段ボールから生まれていると言え、ライフサイクルの循環が成り立っています。

段ボールのリサイクルの方法

段ボールは次のような方法でリサイクルされています。

段ボールの回収

自治体や民間業者による使用済み段ボールの収集や、段ボール工場で排出された切れ端の回収によって、段ボールを集めます。四角いブロック状に押し固め、製紙工場へと運びます。

分解と洗浄

ブロック状の段ボール古紙を、水の中でほぐすように分解します。分解された段ボール古紙は繊維状のパルパーと呼ばれる状態になります。このドロドロの状態で、クリーナー装置によって付着した砂や小石、テープやプラスチック、金属などの異物を取り除きます。また、リファイナー装置で繊維に衝撃を与え繊維同士がからみやすくします。

吹付けと乾燥

何本ものワイヤーによって作られた網状のコンベアのようなものに、ドロドロのパルパーを吹付けて均一に広げます。吹付けられたパルパーは圧縮装置を通過して水分が絞り落とされます。乾燥装置を通過しながら乾燥させ、表面処理装置を通過して表面をなめらかにします。

巻き取りと裁断

できあがった段ボール原紙をリールによって巻き取り、一定の長さで裁断します。この段ボール原紙が段ボールシート工場へと送られ、段ボールが作られます。

段ボールのリサイクルに関しての法整備

段ボールのメリットに世界が注目し、それに伴い段ボール活用に関する法整備や環境整備も進んでいます。世界や日本での段ボールに関する取り組みとして、次のようなものがあります。

世界共通のリサイクル・シンボル

段ボール箱によく印刷されている、このマークを目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
  

20220902_段ボールマーク.jpg
 
(引用:段ボールのリサイクルマーク|段ボールリサイクル協議会
 
これは、国際段ボール協会(ICCA)によって制定された「国際的に共通な段ボールのリサイクル推進シンボル(略称:段ボールの国際リサイクル・シンボル)」に準拠したマークです。シンボルの下にある文字は、各国の言語で表示することになっています。世界的に共通のシンボルで、ひと目でリサイクルができる素材だということがわかるようになっています。

容器包装リサイクル法

日本では平成7年に容器包装リサイクル法が制定され、平成12年に紙製容器包装に関する部分も施行、分別や回収、リサイクルに関する体制づくりが進みました。消費者・自治体・事業者がそれぞれの役割を担い、容器包装廃棄物の削減に取り組むことを義務付けています。
  

  • 消費者の役割は「分別排出」
  • 市町村の役割は「分別収集」
  • 事業者の役割は「リサイクル」
      

この役割分担によってリサイクルの体制を整えた結果、現在の高い段ボールリサイクル率に結びついています。

リサイクル推進のための制度

段ボールのリサイクルを推進するための補助金制度を用意している自治体もあります。
 
東京都小平市では、ごみの減量やリサイクル率の向上を目的として、集団回収を推進しています。集団回収とは、自治会や子ども会、高齢クラブ、マンションの管理組合など、地域団体によって資源を集め、資源回収業者に引き渡す仕組みです。小平市では、この集団回収を活用する団体に補助金を出し、対象となる資源には段ボールも含まれています。
 
また、京都府京田辺市でも、同様に集団回収を行う団体に補助金を交付し段ボールを含むリサイクルを推進しています。京田辺市では参加団体を地域団体に限定せず、グループとしての参加も募集しています。
 
このように、段ボールのリサイクルを推進する精度を導入している自治体も少なくありません。

段ボールはSDGsに即した理想の梱包材

段ボールは95%以上のリサイクル率を誇り、「リサイクルの優等生」とも言われるほどSGDsの観点からも優れた梱包材です。梱包材としてはプラスチック素材も多く使われていますが、プラスチック素材でなければ必要な機能を満たせない部分と、そうでない部分を判断することがこれからの持続可能な社会実現には求められます。梱包材として段ボールを有効活用していくことが、SDGs視点で物流を改善していく方法の1つとなるのではないでしょうか。

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